韓国中小ベンチャー企業部（MSS）は、首都圏偏重のベンチャー投資環境を改善し、地方のスタートアップを育成するために「地方成長ファンド」の設立を公式に発表しました。このファンドは、「ベンチャー4大強国跳躍総合対策」の中核事業として位置づけられており、非首都圏のベンチャーエコシステム活性化を主眼に置いています。

発表によると、このファンドは今後5年間で造成され、総額は5.5兆ウォンに達する計画です。内訳は、政府などが拠出する母ファンド（Parent Fund）が2兆ウォン、民間資本などを呼び込む子ファンド（Sub-funds）が3.5兆ウォンで構成されます。特に非首都圏の14広域自治体それぞれに、少なくとも1つの親ファンドを設置する方針です。

中小ベンチャー企業部と非首都圏14自治体は「地域成長ファンド懇談会」を開催し、今後5年間の具体的な運営方向について協議を行いました。この連携により、中央政府主導ではなく、地域が主体となってベンチャー投資を促進する体制を整え、地域発のユニコーン企業育成を目指すことが確認されました。

政府は民間投資主導型技術創業支援プログラムであるTIPS（Tech Incubator Program for Startup）について、その支援対象の50%を地方企業に優先配分する方針を打ち出しました。これは技術力のある地方ベンチャー企業に対し、R&D資金や事業化資金を集中的に支援するための措置です。

韓国政府は今回の支援策などを通じて、2030年までに地域中小企業の売上を現在の982兆ウォンから1432兆ウォンに引き上げるという野心的な目標を設定しました。さらに、シリコンバレーなどの海外主要拠点に「スタートアップ・ワンストップ・サポートセンター」を展開し、地方企業のグローバル進出も支援する計画です。